#97 ヒトが欲しがる3つの危険なキーワード

人は目の前のメリットよりもデメリットの方が心に対するインパクトが大きいと言われます。

例えば500円もらうよりも500円失う方の衝撃の方が多いのは理解できるかと思います。

良い匂いを香水やアロマオイルで書くよりも深いが目の前の匂いを削除する方が優先的に心は働きます。
痛みも同様に今すぐこの痛みを除去したいと考えるのは当然のことです。


しかし、痛みを感じたのはたった「今」、かもしれませんが実際に原因として起こっているのはずっと前から始まっています。

今すぐ、手軽に、そして安く。


これは消費者が求める大きな3つの欲求ですが何ヶ月、何年かけて習慣化されたその体を一瞬の魔法のように方法などあれば良いですが実際はそうではありません。もしそんな魔法のようなことが起きるのであれば多くの人は予防には目を向けず痛みや不調が起きても何も恐くはありません。

痛み止めを飲めば痛みは感じなくなるかもしれませんが、痛み止めは車で言えば警報です。

車に異常があってブザーを鳴らしてくれているのにそのブザーがうるさいからといって切ってしまったら警報を無視して運転し続けることになります。取り返しの付かない自己や大きな故障につながりますよね。私はアメリカの留学中に乗っていた古い車は多少音がしていたりたまに揺れるような感覚を多々感じていました。お金がなく修理するその金額を聞きたくなかったのである程度無視していましたがやはりその代償は大きく、後から修理代がとても高くつきました。また虫歯でも痛みが起きてから歯医者に行ったのではとても遅く治療がとても長くなっていきます。


だから定期的に歯医者への定期検診は行った方が良いのは誰でも感じていますが定期的に歯医者に行く人はその中の1部だと言われています。痛みが起きたときに予約を取ろうとしたら次の新規の予約は2週間後ですと言われた事は自分自身もあります。とにかく痛みとは深いでその時に何も集中することができなくなり最終的に痛み止めに頼ってしまう人が多いのが実情です安く手軽に簡単にこの3つのキーワードは消費者が飛びつきやすいキーワードとして知られていますが根本的に何かを直そうとしたときにこの3つは消費者としては大きな問題になっていきます


機械や部品が壊れたのであればできるだけ早く手軽に簡単に行えば修理はできるかもしれませんし、もし使えなくなったとしても新しいものに変えることだってできます
しかし人間の体はそうではありません。高齢になってくると股関節を折ってしまう人が多くいらっしゃいます。
実際に大腿骨を骨折してしまうと固定する期間がとても長くまた固定している期間が長ければ長いほど筋肉も神経系も関節も全てが驚くべきスピードで劣化していきます。


たとえ股関節の大腿骨頭を最新の部品に取り変えしたとしても、自分の体として馴染むまでに時間が掛かります。股関節が広く、強く使えれば良いというだけでなく、他の関節との協調性も必要です。何をするにもその「新しい部品」が意識下でも無意識下でも頭の中に残ります。

「股関節の大きな手術をした」(不安が残る)と言うような出来事(心のトラウマ)が強く残るので何をするにも「股関節を再度悪くしないように走らないようにしよう」と言うような保守的な生活になっていきます。考え方もできること、できないことを自分の中で境界線を作り人生が思う存分楽しめないと言う人は多くいらっしゃいます。


腎臓を悪くしてしまうと人工透析が必要になります。しかし人工透析をすれば生きることも生活することもできますが週の半分すなわち人生の半分を治療に充てる時間が増えることにより人生の質を低下させることにつながります。
体のことを考えて長期間で旅行に行く事は控えるなどと言うような方も実際にはいらっしゃいますよね。


体は部品ではないので一生同じ体で付き合っていくパートナーです。そんな大事なパートナーは常に気にかけて大事にしていきたいですよね。

「タダほど高いものはない」と言うような言葉は詐欺に引っかかるような場合に使われることが多くあります。


実際にはこの体はお金では買うことができません、お金でも買えないものが我々人間の体には標準装備として備わっています。

それほど価値のある無料で親からもらったこの体ほど高価なものはありません。とても地味ですが「バランスのとれた生活」「日々のメンテナンス」「体への愛情」がとても大きな価値を持っていきます。


若くて元気で何も不調がない人はこの価値に気づく事はできませんが大怪我をしたアスリート大病をした人はこの価値に気づく人はとても多くいます。私のようなアスレティックトレーナー業界で働く方は自分が怪我をした経験があるから同じような思いをさせたくないと言うような志を持ってトレーナーになった方と言うのはとても多くいらっしゃいます。